
リビングに置いているパソコンのスピーカーはJBL104をしばらく使っている。
エンクロージャー(スピーカーの筐体)が特殊な形(楕円形)をしていて、デスクの上の直置きするとツイーターの位置が耳の高さより20センチ低くなる。一般にスピーカーのツイーターを耳の高さにして聴くのが最もよい音になるといわれている。
そこで自作のスピーカースタンドを作り、その上にスピーカーを置いているのだが、思ったほど音は良くならず、音楽を楽しく聴くには物足りない思いをしてきた。
低域の量感があり高音域もきれいに鳴る適当なサイズのスピーカーがないかと探していたら、昨年秋に発売されたADAM Audioの小型モニタースピーカーが目にとまった。
値段も手ごろ(税込み43,000円)なので買ってもいいかなと思っていたが、このところ音関係の買い物が続いているのでちょっと自重していた。
そんな折、新NISAの口座で投資信託を買うために旧NISA口座の投資信託の一部を売ったところ、予定したよりも4万円ちょっと高く売れた。これは「ADAM AUDIOを買いなさい」という天の思し召しに違いない、「こうなったら買わないわけにはいかないでしょう」と都合よく解釈してAmazonでポチっと。
さっそく届いたADAM Audio D3Vをデスクに設置して鳴らしてみる。
思わず「おおっ」と声が漏れるほどで、明らかにこれまで使っていたJBL 104とは格が違う。しまった低域のなり方や音の密度の高さが際立つ。
特筆すべきなのは、付属スタンドをつけてデスクに直置きしても音像がちょうど目の高さ、左右のスピーカーの中央に付近にあるように聞こえることだ。
左右のスピーカーから音が出ていることを全く感じさせないし、スピーカーの大きさからは信じられないほど量感のある低音が出る。
小型スピーカー(ウーファーが5インチ以下)の最大の弱点は低域が貧弱になりがちで、それを補う方式にバスレフ型とパッシブラジエーター型がある。
バスレフ型はスピーカーの前面か背面もしくは底面に穴をあけ、そこからスピーカー内部で発生するエネルギーを空気として放出することで低域を補強する仕組み。構造が簡単なこともあってバスレフ型のスピーカーが圧倒的に多い。我が家のモニタースピーカーYAMAHA MSP5とリビングのPoke ES60はバスレフ型だ。
一方ADAM Audio D3Vはパッシブラジエーター型で、スピーカーの両側に円形の振動版がついている。

この振動版に手を触れるとよくわかるが、低音域を鳴らすとびりびりとした振動が伝わってくる。その振動でスピーカーの周りの空気を振動させ、豊かな低音をだすという仕組みだ。
ADAM Audioといえばリボンツイーターを使っていることでも有名だ。リボンツイーターは一般的なドーム型のツイーターに比べ繊細でのびやかな音が出ると言われている。
購入して間もないので、まだそのあたりは実感(年齢が上がるとそもそも高域の音が聴きとりにくくなるので、そのせいかもしれない)できていない。
43,000円という価格でこれだけの音が出るというのは感動もの。十分に値段以上の価値がある。
USBタイプCで直接パソコンやタブレット、スマホなどにも接続できるのも良い。(ただしiphoneのライトニング端子からは変換ケーブルを使っても接続できないのは残念)
何より嬉しいのは、リビングのパソコンでも音楽が楽しめるようになったことだ。